猿轡(さるぐつわ)とは、キャラクターの口に布や紐、専用の道具などを詰めたり被せたりして発声や会話を制限する拘束表現の一種である。口枷(くちかせ)とも呼ばれ、身体的自由の剥奪を視覚的かつ象徴的に示す要素として用いられる。

二次元コンテンツにおいては、ハンカチや布を口に詰めるシンプルな表現から、ボールギャグや専用口枷といった道具を使った描写まで幅広い形式が存在する。猿轡をされたキャラクターが発することのできるくぐもった声や、喋れない焦燥・羞恥が表情で表現される場面が作品の見せ場となる。言葉による抵抗や助けを求める手段を封じるという意味で、支配状況の確立を強調する演出として機能し、拘束・調教・陵辱系のシナリオにおいてセットで描かれることが多い。また、口元を隠すことで視線が目や表情に集中する構図上の効果も活用される。

目隠しが視覚を、猿轡が発声を制限する対応関係にあり、両者を組み合わせることで感覚遮断の演出を高める手法がある。言葉責めとは対照的に、言葉を奪われた状況を作り出す表現である点で明確な位置づけの違いがある。

声や言葉という自己表現手段を封じられた状態が醸し出す無力感と、それでも滲み出る感情が魅力の根底にあるとされる。